ごあいさつ
総合ケアステーション大慈の原点にあるのは、十五年前、私が夫を自宅で看取った経験です。
夫には、訪問看護も訪問介護も入っていました。それでも、介護から看取りまでの日々は、公的なサービスだけで成り立つものではありませんでした。
それまで自分でできていたことが、ある日突然できなくなる。家族だけではどうにもできないことが起こる。しかし、必要なときに、必要な手があるとは限りません。
私自身、看護師でありながら、家族として途方に暮れました。
「今、誰かいてくれたら」
「もう少しだけ、手を貸してもらえたら」
そう思ったことが、何度もありました。
病気や障がいを抱えながら生きる日々も、人生の最期を迎える時間も、きれい事だけでは済まされません。
痛みや息苦しさ、身体の自由が失われていく不安、介護する家族の疲労、複雑な人間関係、孤独、そして、「なぜ自分が」「これからどう生きればよいのか」という、答えの見つからない苦しみがあります。
どれほど制度が整っても、制度と制度の間には、どうしても隙間が残ります。また、人の苦しみは、医療、介護、障害福祉と、分野ごとに切り分けられるものでもありません。
だから大慈は、訪問看護・精神科訪問看護・訪問介護・居宅介護・重度訪問介護に加え、制度では支えきれない部分に応える保険外サービスを備えました。
それぞれの制度や専門職が別々に関わるのではなく、その方に必要な支援を複合的に組み合わせ、暮らし全体を支えていきます。
そして、すべてのケアの根底に置くのが、スピリチュアルケアです。
問題を解決することだけを目指すのではなく、その方が何を大切にし、どのように生きようとしているのかに耳を澄ます。答えの出ない苦しみの中にいるときにも、ひとりにせず、存在をもって関わり続ける。それが、私たちの考えるケアです。
生きることから、生ききることまで。
制度の枠を越えて、必要なときに必要な手を差し伸べられる場所でありたい。総合ケアステーション大慈は、あなたと、あなたを支える方々に、本気で伴走してまいります。
総合ケアステーション大慈
統括所長 玉置妙憂